千葉県は房総半島の最南端に位置する南房総市が、6月から小学生の習い事に対する補助事業を始めるそうです。
低所得家庭に限った補助は大阪市が実施中ですが、全家庭を対象にするのは全国で初めての取り組みとのこと。
なぜ南房総市はそのような手厚い補助事業をおこなうのでしょうか?
補助を受けられる条件や金額、申請方法なども調べてみましょう。
過疎化が進む南房総市
南房総市は房総半島の南端に位置し、2006年に6町1村が合併して生まれ、今年4月1日現在の人口は4万776人。人口減少が著しく13年までの5年間で5・8%減り、特に15歳未満は全国平均の4・6%減を大きく上回る15・3%減となっている。市教育委員会は小学生が今後5年間で、さらに2割近く減ると見込む。
引用:http://mainichi.jp/select/news/20150510k0000e040128000c.html
全国的に少子化が進んでいますが南房総市はそれが顕著なようです。
同市の経済規模も小さくなっているでしょうから、子どもを育てる保護者の負担はかなり大きいと思います。
子どもの数が凄い勢いで減っていくのが分かっているので、手厚い補助で他の市長村からの転入を見込んでいるのでしょうか。
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子育て環境の充実が狙い
そんな中で市は子供たちの教育環境充実と学力向上を目指して、保幼小中一貫の「15年教育」の推進に取り組む。今回の事業を発案した石井裕市長は「親の経済格差が子供の学力格差につながるとの指摘がある。こうした事態を少しでも解消するため、全家庭の教育を支援したい」と話している。
引用:http://mainichi.jp/select/news/20150510k0000e040128000c.html
同市で育つ全ての子どもたちに等しく十分な教育を受けて欲しい、市長の強い意気込みが伝わってきますね。
大袈裟じゃなく子どもは未来の日本を担う宝物ですからね。
あとは子どもたちが同市から職がなくて離れなくてはならない状況にならないように雇用の確保や企業の誘致などもやっていかないといけないでしょうね。
補助を受けられる条件は?
助成対象者
小学校5年生及び6年生の児童の保護者で本市に居住し、かつ本市の住民基本台帳に登録されている方。
補助の金額は?
支給額は6段階に分けられています。
- 生活保護世帯 7000円
- 市民税非課税世帯 6000円
- 前年度の所得割額48,600円以下世帯 5000円
- 〃 77,100円以下世帯 3000円
- 〃 211,200円以下世帯 2000円
- 〃 211,201円以上世帯 1000円
上記は子ども1人あたりの支給額です。双子や年子など複数の子どもがいる場合、人数分が支給されます。
補助金は「塾利用助成券」という紙のクーポン券で交付されるようです。
そのクーポン券で学習塾やスポーツ教室に月謝を支払います。
対象になる習い事は?
(例)
文化教室:音楽、美術、書写、調理、手芸、工作、そろばん、写真、演劇、パソコン、囲碁、将棋、華道、茶道など
スポーツ教室:器械運動、陸上競技、水泳、球技、武道、ダンスなど
引用:
http://www.city.minamiboso.chiba.jp/cmsfiles/contents/0000007/7440/bosyuyoukou.pdf
学習塾の他は上記の習い事が例に挙げられています。
家庭教師なども条件によっては補助の対象に含まれるようです。ただ、残念ながら通信教育やeラーニングは対象外になってしまうようです。
プレミアリーグのリバプールが開校している少年サッカースクールが補助対象になっているのはちょっといいなと思いました。
申請方法は?
既に補助対象の家庭には市から申し込み書が配布されていて約6割が利用を申請しているようです。
【お問合せ・相談先】
南房総市教育委員会 子ども教育課
PHONE:0470-46-2966
F A X:0470-46-4059
E-mail:kodomo@city.minamiboso.chiba.jp
開庁日:平日(午前8時30分から午後5時15分まで)
閉庁日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~翌年1月3日)
まとめ
私が子どもの頃は好景気のおかげで習い事を2つ3つ掛け持ちするのは当たり前のような時代でした。
実際、私は書道と少年野球とスイミングスクールに通っていました。当時は景気が良かったとはいえ、考えてみると親は毎月結構な負担をしてくれていたんですね。
不景気となっても親は子どもの教育にかけるお金は惜しみたくないはずですよね。
やむなく生活保護や市民税非課税となってしまった世帯でも毎月6000円〜7000円の補助があれば、少なくとも1つの習い事には通わせることができます。
また、「前年度の所得割額211,201円以上世帯」の推定世帯年収はおおよそ740万円以上ですが、それでも毎月1000円が助成されます。
南房総市の習い事補助の素晴らしさはそのように全家庭を対象にしているところでしょう。
過疎化が進む同市で十分な教育を受けた子どもたちが大人になったときに、自分が育った市のために貢献したい、そう思ってくれるといいですね。